こんな人におすすめ
・ビジネス本を楽しく読みたい方
・書店の将来は厳しいのかな…。無くなってしまうのかな…。と思っている方
あらすじ
ローマン・ブラザーズ証券の社員であった主人公の北川由佳は、会社の倒産を機に開明堂書店で働いていました。
そんな中、とある会議がきっかけとなり、オバケである開明堂書店の創業者・石川大一郎に憑りつかれてしまいます。
由佳は開明堂書店を取り巻く様々なトラブルに巻き込まれるが、彼(オバケ)の手助けも借りながら、持ち前の明るさと機転で乗り越えていきます。
登場人物
・北川由佳
本作の主人公。ローマン・ブラザーズ証券の元社員。
ローマン・ブラザーズ証券が倒産した後、開明堂書店で働いている。
・石山大一郎
開明堂書店の創業者。
死後、オバケとなって由佳に憑りつくようになった。
・石山将大
石山大一郎の孫にして、現社長・石山司朗の息子。
開明堂書店の営業推進部で働いている。
本書の名言
ここでは、本書を読んで印象に残った言葉を紹介させて頂きます。
ここからはネタバレを含みますので、ご注意ください。
お客さんが本屋に求めるもの
「本屋って、お客さんはそこに何を求めてくるんでしょうか?」
「ワクワク感じゃないか」
書店ビジネスの求められる姿を改めて考えようとして、由佳が会長(オバケ)に質問したところ、即答で返事が返ってきました。
私もキンドルで読むことが多いですが、もちろん本屋に行くのも好きです。
知らないジャンルの本に出会ったり、今の流行りの本をチェックしたりするのも好きだし、あの空間自体が好きなんですよね。
本屋があると用事が無くても入ってしまいます。
また、キンドル派の私でも、本屋で面白そうな本に出会ったらついつい購入してしまいます。
自分自身、なぜ本屋が好きなのか、一言で言語化できていなかったのですが、この会長の言葉がすごくしっくりきました。
「ワクワク感」だったんですね。
会長は、お客さんの求めているものを理解していたからこそ、創業一代で会社を大きくできたんだなと思いました。
人生において大切なこと
人生において大切なことは、成功を目的とするよりも成長すること。その成長は新しい状態をつくり、新しい場を作る。その過程が構造変化であり、新しい創造でもある。そして、それを実感できることが幸せなのだろうと。
物語の最後の場面での言葉です。
ローマン・ブラザーズ証券で働いていたときの由佳は、成功を目的としていました。
ところが、オバケとなって表れた会長をはじめとした、開明堂書店に関わる人々との出会いの中で、この結論に達しました。
私自身もそうですが、人生の目的が「成功」になっている方は多いのではないでしょうか。
この言葉の解釈は少し難しいと感じましたが、成長の先に幸せがあり、成功はこの結果である。
私もこういう考え方を持ちながら生きていきたいと感じました。
全体の感想
本作『由佳の成長、それは奇跡の出会いからはじまった』は話題の本だったため、以前から気になっていました。
なかなか機会が無かったのですが、今回ようやく読むことができて嬉しく思います。
優しい雰囲気の表紙だったため、書店を舞台にした優しい成長物語を想像していましたが、実際に読んでみるとゴリゴリのビジネス小説でした。
正直、M&Aの話などは私には難しかったです…。
ただ、電子書籍やスマホの普及による厳しい状況の中で、リアル書店の強みを見出していく過程など、とても面白かったです。
また、由佳が周りを巻き込みながら行動していく姿から、本来のリーダーとはこういう人のことを指すのかなと思いました。
色々な方に読んで頂きたいですが、特にビジネスマンの方におすすめしたい本です!
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