こんな方におすすめ
・人間関係に悩んでいる方
・視野を広く持ちたい方
おすすめの理由
人間には、良い面もあれば悪い面もあります。
さらには、自分自身でも気が付かないような意外な一面さえあります。
「あの人のこと苦手なんだよな…。」
「あの人ってこういう人だよな…。」
このように人の一面だけをみて評価を下してしまうことは、誰しも経験のあることだと思います。
ところが、実際にはもっと沢山の面を持っているので、それらをしっかり見なければいけません。
この考え方があれば、視野を広く持つことができるし、人間関係の悩みも解決していくきっかけになると思います。
この本を読めば、この考え方を学ぶことができます。
ぜひ読んでみてください。
あらすじ
生前に大きな過ちを犯し、輪廻のサイクルから外れてしまった「ぼく」は、輪廻のサイクルに戻るため、再挑戦のチャンスを与えられます。
再挑戦の内容は、下界にいる誰かの体を借りて生活する「ホームステイ」をすることでした。
そして成功条件は、前世で犯した過ちの大きさを自覚することです。
ホームステイ先は、生前の罪の大きさによって選定されますが、「ぼく」のホームステイ先はとんでもなくひどい家族でした。
主な登場人物
ぼく
生前に大きな罪を犯した魂。
小林真の体に乗り移り、一定期間「ホームステイ」をすることになる。
プラプラ
「ぼく」の前に現れた天使。
ガイド役で、ホームステイをサポートする。
小林真
自殺により命を絶ってしまった中学生。
「ぼく」のホームステイ先に選ばれる。
本書の名言
ここでは、本書を読んで印象に残った言葉を紹介させて頂きます。
ここからはネタバレを含みますので、ご注意ください。
この世はあまりにもカラフルで、みんないろんな絵具をもっている
みんなそうだよ。いろんな絵の具をもっているんだ。きれいな色も、汚い色も
人は自分でも気づかないところで、だれかを救ったり苦しめたりしている。この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷っている。どれがほんとの色だかわからなくて。どれが自分の色だかわからなくて。
「ぼく」は小林真として生活していくうちに、人間が良いところや悪いところなどといった、様々な側面を持つことに気がついていきます。
人々は皆カラフルな色を持っているのです。
日常生活の中でも、あの人はこういう「色」の人だよね。
と判断してしまうことがあるかと思います。
私自身もそうです。
ところが、この決めつけが原因で、お互いに誤解を生んでいる場合も多いのではないでしょうか。
この本を読んだ後は、周りの人の目立たない「色」を見ようとすることで視野が広がったような気がします。
人生は少し長めのホームステイ
そう、あなたはまたしばらくのあいだ下界ですごして、そして再びここにもどってくる。せいぜい数十年の人生です。少し長めのホームステイがまたはじまるのだと気楽に考えればいい
再挑戦が無事終了し、下界に戻ることになった「ぼく」は、ある不安を覚えます。
下界に戻ると、ホームステイ中のように気軽に、のびのびと振る舞うことができなくなるのでは?
という不安です。
そんな心配をする「ぼく」にプラプラは上記の言葉をかけてくれました。
この言葉には、なるほど!と思いました。
たしかに人生を重く捉えすぎているために、不安になったり、苦しんだりする人が多いように感じます。
「人生は少し長めのホームステイ」だと気軽に考えれば、そういった悩みが減り、のびのびと生きていくことができるのではないでしょうか。
全体の感想
本作品「カラフル」は、森絵都先生の代表作のひとつです。
以前から気になっていた作品でしたので、読むことができて嬉しく思います。
作者が物語で一番伝えたかったことは、人間は皆カラフルで、様々な側面(色)を持っている!ということだと感じました。
多くの人がそうだと思いますが、私自身も周囲の人を、ある一面だけで判断している節があります。
そのせいでお互いに誤解を生んでケンカしてしまったり、人間関係で悩んでしまうことに繋がってしまうんですね。
なかなか自分では気づけないことを学ぶことができました。
読了後はなんというか、ホッとするような安心感を覚えると思います。
そして、読んだ後には視野が広がり他人に優しくなるような作品です。
ぜひ読んでみてください!
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