【スプラッシュマンション】畠山健二｜あらすじと名言、そして感想を紹介！

こんな方におすすめ

・最近心に余裕が無いな…。と感じている方

・おじさんたちのドタバタ劇が好きな方

おすすめの理由

この物語では「いい年をしたおじさんたち」が自分たちの住むマンション「ルネッサGL」の管理をめぐった事件を解決していきます。

物語と同じトラブルが実際に起こったらかなり深刻な事態になりそうですが、おじさんたちの遊び心を忘れない行動のおかげで楽しく読み進めることができます。

また、本書を読むことで、なにか問題が起こっても遊び心を持って行動することが大事なんだと学べます。

心に余裕が無くなっているときってありますよね。

そういったときに、この物語を思い出すと良いのかなと感じます。

全体として面白い物語ですが、特に終盤の疾走感がすごいので、一気読みしてしまうと思います！

あらすじ

ある日、葉山俊介はマンションの理事長と管理会社の担当者がグルになって、なにか悪事を働いているとの噂を聞きました。

はじめは笑い話でしたが、真相が明らかになってくるとかなり深刻な問題でした。

物語が進むにつれて、騒ぎの元凶である理事長の行動もエスカレートしていきます。

葉山は仲間とともに「遊び心を持って」理事長を成敗し、問題解決の計画を立てることとなります。

主な登場人物

葉山俊介
「ルネッサGL」の住人で、漫画の原作者として活動している。
仲間内では先生と呼ばれている。

麻丘元春
「ルネッサGL」の住人で、マンション管理組合の理事を務めている。
元落語家で、関西弁を話す。仲間内では元ちゃんと呼ばれている。

南淳二
「ルネッサGL」の住人で、マンション管理組合の理事を務めている。
鉄鋼会社と賃貸マンションを切り盛りしており、仲間内では淳ちゃんと呼ばれている。

吉本貴子
吉原「松竹梅」のソープ嬢で、源氏名は神山。

高倉宏志
「ルネッサGL」の住人で、マンション管理組合の理事長を務める。

小林敦
「ルネッサGL」の管理会社の担当者。
総合管理サービス株式会社のマンション管理部課長代理。

本書の名言

ここでは、本書を読んで印象に残った言葉を紹介させて頂きます。

人生は遊園地

どん底のときって、いろんな表現ができるよね。人生は地獄で、結婚は墓場、会社員なんて奴隷……。でもそれは、その苦しみに直面した人が悲壮感に酔って命名しただけなのよ。人生は遊園地、結婚はお化け屋敷、サラリーマンはピエロ……。遊んじゃえばいいのよ。葉山さんや私が住んでいるマンションだって立派な遊園地だわ。私たちは水しぶきが上がるジェットコースターに乗って楽しんでいるの

人生を地獄と表現するか、人生を遊園地と表現するか。

表現の違いだけでこんなにも印象が変わるのか！と驚きました。

葉山俊介は、作中のトラブルを解決するときに「あくまでも遊びであること」を強調しています。

そのおかげか彼の仲間たちも、現実に起こったら深刻だろうなと思われる今回のトラブルを楽しそうに解決していきます。

考え方次第で、ものの捉え方は大きく変わるものだと思います。

私の職場でも、以下のようにいろいろな人がいます。

どんなトラブルが生じても楽しそうにしている人

普段から辛そうにしている人

こういった違いは、日頃の物事の捉え方の違いだろうなと感じます。

物事の捉え方ひとつでこれほど大きく変わるのであれば、楽しいほうがいいですよね。

全体の感想

いい年をしたおじさんたちが、まるで遊ぶかのように楽しみながら事件を解決していくのが、この物語の特徴です。

実際に作中のような事件が起こったら笑いじゃ済まない気もしますが、それをコメディーのように表現されていたのが印象的でした。

まさにドタバタ劇！

特に後半は一気に読み切ってしまいました。

今回の物語で、貴子は俊介と出会ったことがきっかけで、貴子は別人のように大きく変わります。

さらに、マンション理事長の高倉も小心者でしたが、佐々木と出会ったことがきっかけで思い切った行動をとるようになりました。（死を覚悟したのも要因でしょうが）

このように、たったひとつの出会いでも、人を大きく変えるエネルギーがあるんだなと思いました。

良い変化も悪い変化もあるでしょう。

ただ、今の自分を変えたいなら、その出会いを探すことがひとつの手段になります。

そのためにも、家に引きこもるのではなく、外に出て沢山の人に積極的に出会うのが良いのでしょうね。

また、物事は捉え方によっては地獄にもなるし遊園地にもなるという言葉も印象に残りました。

とても面白い本ですので、ぜひ読んでみてください！